雨漏りは屋根の形が複雑なほど、起きやすくなります。屋根が複雑になると、くぼんだ谷の部分が多くなり、そこに水が溜まります。雨漏りを防ぐためには、雨水を速やかに流すことが大切です。谷の部分は雨水が周辺から集まってくるために滞留を招きやすくなります。
屋根の雨漏りは、顧客が望む住宅の外観からも影響を受けます。顧客は軒の出を短くしたい嗜好を持っています。そのほうが洋風に見えるためのようですが、雨の多い日本に建つ住宅には適していません。軒の出が深いと、軒と外壁のとり合い部分が隠されます。
外壁と屋根のとり合い部分は雨が漏りやすく、庇で隠すことが必要です。庇のでは長い方が有利で、その結果、形としては昔ながらの和風の外観となります。形を単純にして、庇を深く出すことが雨漏りの対策として効果的です。雨が漏る原因は材料にもあります。
昔の住宅は瓦が主体でしたが、現代の住宅はカラーベストやシングル系の材料が主に使われます。カラーベストやシングル系の材料は、安価なために施工費をやすく抑えることができ、住宅メーカーにおいて多用されています。しかし、耐久性に問題があり、早い時期に痛んでしまいます。表面の材料が傷むと、その下のアスファルトルーフィングも痛みます。
アスファルトルーフィングは防水の最後の砦となっているので、壊れると雨が漏ってしまいます。サッシ廻りも注意したいところです。特に、庇のない窓は、周辺のシーリングが劣化すると、そこから雨がしみこんできます。
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